トヨタ生産方式コンサルタントとして、TPSの考え方に基づき活動してきて特に最近感じることがあります。それは、現場を見るとまだまだやるべきことがあるにもかかわらず、手がつけられていないことが多く、また工場での改善への推進力が弱まっているということです。商品競争力の問題とか、海外との競争とかの問題もあり、生産現場のコスト競争力が及ばなくなっているという議論があります。そのような環境はあるにしても、名だたるメーカーの製造工場を訪問しても、ひと目で改善点が見えるようなことがあります。気づいていないのか、やり方を知らないのか、放置しているのか、指導者のまずさなのか、理由はいくつも考えられます。

 ある大手メーカーの一工場で疑問に思ったことがあってそれを聞くと「これは、トヨタ生産方式です。〜さんの本で勉強しました」と答えられました。うーんとうなったきり言葉を失いました。その中身に至る理由が類推できたので、ただ困ったなというのが印象です。また、中小企業では人材の問題が多々あるように思います。特に、どのように、工場をより良くしていくのかの方法論を知らない気がします。
 このような中で昨今、トヨタ生産方式や改善のコンサルへの需要が停滞しています。この環境の中では、ましてやトヨタ生産方式が人減らしと誤解する向きもあって、人あまりの中で改善をしても、人が余剰となってしまうといって改善への推進力は鈍りがちです。トヨタ生産方式では、このようなときこそ改善をせよと教えています。昨今の経営環境では、知識・経験を教えてくれる外部コンサルへの投資はためらわれます。コンサルへの敷居が高いということでしょう。またTPSには、時代によって流行があります。日本ではないですが、近くの国ではそれが顕著ですね。流行が少しすたった感じですね。
 どのような経営環境であれ、製品を取り巻く難しさであれ、現場を強くしていく、ムダを排除していく考え方のトヨタ生産方式は、今後とも基本です。セミナーなどの座学は重要です。しかし、セミナーで概論を聴講して分かった気になってしまうというような、実態に合わない勉強をしても、意味がありません。また、たとえば、武内登著「セル生産」のような書籍は、なるべく個別の事例にとらわれるのではなく普遍的になるように書かれた本です。また、事例を中心に書かれたものもあります。それらの知識を自分の例に当てはめて噛み砕く実力を持たなくては、机上の学問になってしまいます。
 個別の会社の状況や問題点は様々です。従って、トヨタ生産方式といえども、カスタマイズしたコンサルティングが必要になることもあるでしょう。このように考え、今こそ広くTPS(トヨタ生産方式)の本当の良さを知ってもらうことが必要だ、そのためにはコンサルへのハードルを低くしようという当社の社友での議論から、6日間の
短期工場TPS実践コースを低価格で提供しようということになりました。このコースでは、OJTを重視した実践を通じて問題点を把握し、改善能力をつけることによって、製造工場の体質強化への手助けとなることを考えます。

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