少し前からの本ですが、「関口真理ら:インドのことがマンガで3時間でわかる本」を読んで、新たに再認識できたこともあって、インドへの入門としてお勧めします。多くの方の手になるもので、経験に裏打ちされた良い内容だろうと思います。また、「3時間でわかる」の書名と「日頃、インドは簡単にわからないと話している」ことと矛盾していますと「はじめに」に書いて見えますが、どの国でも、自分の目で見て感じることが大切でしょうね。海外で仕事をすると、「人間は、どこでも変わりはない」という当たり前のことを実感しますね。

 この本に「2001年ごろ、~いたってのどかな田園風景と荒野が続くのみである。インドールという地方都市からその企業を目指したが、~荒野の間のオフロードを進むのみ。だんだん不安になってきたところで、周辺とは不調和な、整備された舗装道路が見えてきた」 とあります。私は、2008年から2009年にかけて毎月、このインドールで同じような経験をしました。
 インドビザを持っていたこともあり、金曜日に連絡があって、「こんどの水曜日にインドへ行けますか?」と言われ、飛行機を乗り継ぎ、インドール空港に到着しました。のどかな空港です。出迎えの工場長秘書課長は、以前日系企業に勤めてみえたので「こんにちは」などの片言の日本語を話しますが、当方は下手な英語でやりとり。空港から会社のある工業団地までは、インドール郊外で山道、未舗装の道がまだあります。あたりは、小麦をまく前で、サトウキビ畑などが点在するくらい。広い畑が一面広がります。車に揺られながら(でこぼこの舗装道路です)、ふと、「いいなあ、のどかで小さい頃の日本の昭和30年代イメージだ」「インドはこれからどんどん良くなっていくばかりだから」と幸せな快さを感じました。 とはいえ一方、本当にこの道でいいの、どこへ連れて行かれるのだろうという不安な感じで車は進みます。
 後日、このあたりの道路は、工業団地の近隣の会社がお互いにお金を出して舗装したんです、以前はもっと時間がかかりましたと通訳の方が言われたことがありました。その道路でも、中央部分のみの舗装でででこぼこですし、時として道路が雨で流されることもあり、今日は渋滞ですから別の道を行きますという具合です。タイのバンコクから南に向かう時、ふと気付くと身体が上下に大きく揺れています。みかけはりっぱな道ですが、小さな川があったら、橋で少し高く、坂だったら山なり、また道なりにアスファルトを敷いただけです。それで、日本の道路作りだと、まず「地ならし」という言葉があるように、水平にするんだろうな、だから、道路にお金がかかることもあるのかなと思いました。地ならしには重機が必要だから、安い予算で道路を作るためには、地面の形どおりなのかなという印象です。
 インドールでも、同じように、基礎もあまりないままアスファルトが敷いてあるので、雨が降ると下が流されてしまい、道路が陥没するくらいならいいのですが、無くなってしまうわけです。インドール近郊のその工業団地は、インドのデトロイトを目指すということで、計画されたと聞きますが、ここでも電力と同じく道路のインフラ整備は急務です。
 さて、台湾から順に南に向かうと、その国の道路事情が変わります。私は、最初の出張のころ、その国の富を見るのに、道路の「縁石」を見ました。縁石のしっかりした国は、一般的に富んだ国のように思えます。インドでは、まずは、計画中の主要都市を結ぶ高速道路網が整備されると良いのですが。
 春先は、インドールから工場に向かう時、野焼きかと思っていたら、実は郊外のゴミ処理場の焼却の煙でそれと砂塵で会社に向かうまでに、口内が、いがらっぽくなり、次の出張ではノド飴を用意しました。郊外の広大な土地がある国ですから、野焼きはある意味のどかです。とは言え、すごく今後、ますますゴミがふえたらどうなるのだろう、日本が助けることがここにもあるなと思います。
 ところで、タイとインドでは、良く似た種類の犬を道路わきで見かけますが、私のイメージでは、振る舞いが違うように思えます。共に暑い国ですが、タイでは、歩道で足を伸ばしたコの字形で寝ているのを良く見かけました。暑いから地面との設置面積を増やしているみたいです。犬は、ゆったりしている感じです。一方インドでは、野良牛(決まった飼い主がいるんだそうです)は、ゆったりしていて道の真ん中で座っていたりするものの、犬は、俊敏です。自動車に引かれた犬を何回か見ました。郊外の一面畑の道端で、道路を渡ろうとしている犬が、チラッと車の隙間を伺うような目で見ているのを見て、いけないのですが、つい笑ってしまいました。車が少ないわりに命がけで、俊敏になるわけです。
 インドのチキンレースのような運転については、また別の機会にしましょう。

お問合せ・ご相談はこちら

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
080-3645-0612

ひとに優しいモノづくり職場をつくるトヨタ生産方式コンサルトです
Toyota Production System(TPS/LEAN)
Consulthing Firm

■オンリーワンのモノづくり Only-one manufacturing
■モノづくりはひとづくり Making good use of personnel
■合理的な考え方のできる人材育成 Rational way 

■ひとにやさしい職場づくり Considerate to workers
■継続的改善のできる風土づくり Continuous Improvement